本日の修錬 2025/10/07
本日は広島県福山市の福山書道美術館で開催中の中室水穂展を見に行きました。
書道大学同期のMさんが、水穂先生の御子息である中室舟水先生に師事されている御縁もあって、最近もMさんから水穂先生のお話なども聞き、お作品の写真なども拝見する機会があったのですが、その代表作に六曲一双の「いはしみづ・蓬莱山」という屏風があり、その写真を拝見した時あまりの大迫力に魂を持っていかれて…。
以来、その作品がずっと気になっています。
今回水穂先生の没後20年ということで、その屏風がご出身地の福山書道美術館に展示されているとの情報を得て、これは是非とも実物を見に行かなければということではるばる福山まで足を運ぶことにしました。
お目当ての屏風は想像以上に素晴らしく、これまでの人生で見てきた書作品の中でも一番のお気に入りかも…。
屏風には金銀の箔が見事に散りばめられていて(この装飾も水穂先生自ら手がけられたとのこと)、その華麗な屏風の左双には漢字で蓬莱山の3字を大字でダイナミックに、右双には「いはしみづ山をめぐりて大河なし悠然として青海原に」という先生自詠の和歌が漢字に敗けない大迫力で書かれています。
これまでもバカでかい紙に書かれたバカでかい大字仮名作品というものを見たことがないわけではありませんが、それらはどこかちょっと無理をしている違和感のようなものを感じたのですが、この屏風にはそうした違和感が一切ありません。
この作品にはこの表現方法以外にない!と思わせる説得力があります。
特に右双の仮名は、これまで仮名作家の誰も成しえなかった唯一無二の仮名表現と言っていいでしょう。
「墨跡のような仮名」を書きたいとおっしゃっていたそうですが、納得です。
この屏風以外にも、繊細な細字仮名作品や、モダンな感覚の大字仮名作品、漢字作品にも光るものがありました。
帰りは岡山県の総社市に寄り道して、総社吉備路文化館で開催中の高木聖雨展を見てきました。
こちらは人けのない静かな森の中にひっそりとたたずむ美術館で、聖雨先生の歴代の大作が展示されていて、これまたたいへん勉強になりました。
充実した西日本書展めぐりの一日でした。
夜は書道大学仮名科の復習とまとめの作業をして、寝る前に書道大学宿題の仮名創作課題1点と半切1/2作品のストックを2点書きました。
素晴らしい作品を見て刺激を受けてきた後にしては、いずれもがっかりするほどお粗末です。
本日の修錬は30分ほど、集中度70%、課題認識度80%、目標達成度30%でした。